スポットワークと社会保険(雇用保険)

前回のエントリで、スポットワーク(日雇労働に該当するケースが多い)における健康保険・厚生年金保険の適用について整理しました。
今回は雇用保険について考えてみたいと思います。

雇用保険法では、「日々雇用される者」および「30日以内の期間を定めて雇用される者」を日雇労働者と定義しています。
これらの方は、原則として一般の被保険者にはなりません。

ただし、日雇労働者には「日雇労働被保険者」という独自の制度が設けられています。
適用区域内に居住し日雇労働に従事する方が対象で、事業主は雇用保険印紙を貼付する形で保険料を納付します。
失業時に「日雇労働求職者給付金」を受けることができる仕組みです。
スポットワークの労働者が日雇労働被保険者手帳を所持している場合には、
その方は日雇労働被保険者に該当するため、事業主は雇用保険印紙の貼付が必要です。

現実的には、アプリ系のスポットワークでは手帳を持っている方がほとんどおらず、事業主側も印紙通帳を持っていないケースが普通です。
そのため、原則として「雇用保険の適用はない」との扱いになっています。
とはいえ、もし手帳を持っている人を雇った場合は、たとえ1日単位のスポットワークでも印紙を貼る義務が生じます。
適用漏れを防ぐため、スポットワークで働く方を雇用する事業主様は、念のためご本人に手帳の有無を確認されるとよいでしょう。

さらに、以下の場合には一般の被保険者へ切り替わります。

  • 同一の事業主に継続して31日以上雇用された場合
  • 前2か月の各月において18日以上同一の事業主に雇用された場合

ちなみに、これまでは週20時間以上が一般被保険者のラインでしたが、2028(令和10)年10月からは週10時間以上へと適用範囲が大きく広がります。
将来の制度改正を見据えた適切な労務管理が重要になってきております。

いずれにせよ、スポットワークのつもりで日雇いの方を繰り返し雇い入れていたところ、気づけば上記の要件に該当していた、というケースは十分にありえます。
該当した時点で事業主には資格取得届の提出義務が生じますので、日数の管理は怠らないようにしたいところです。

ご不明な点がありましたら、ぜひご相談ください。