今後の障害者雇用制度の在り方(報告書④)
厚労省発表の「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会報告書」から、今回は、「Ⅱ 障害者雇用の「質」について」の後半部分(その2)を取り上げます。
前回のエントリでご紹介したように、「障害者雇用ビジネス」の利用企業に対しては、6・1報告において関係情報を求める方向で、今後議論が行われることになりました。
加えて、事務局の厚労省から以下の論点提示がなされます。
(略)「障害者雇用ビジネス」に対しては、以下のようなガイドラインを策定する。
<ガイドラインの内容の例>
・ 障害特性の十分な理解を含め障害者雇用に精通した一定の資格者等を配置すること、障害者及び利用企業への支援に従事するスタッフに対する教育訓練等を実施すること
・ 利用企業に対して、以下の支援メニューを提供すること
① 障害者の就業を通じた成果物が、利用企業自身の事業活動において有為に活用されるための提案・支援
② 利用企業自身の事業活動の中での障害者雇用のための業務切出しや業務設計・再構成、雇用される障害者の希望を踏まえた複数の就業場所・業務内容の提案・支援
③ 最終的に、利用企業が、自社の就業場所での障害者雇用に移行させていくための提案・支援
(利用企業自身の担当者の育成、自走開始後の助言等)
・ 上記の支援メニューの提供状況(実績)を含め、ガイドラインに沿った運営を行っている旨について、定期的に情報開示を行うこと 等◆ 利用企業に対しては、(略)ガイドラインにおいて、以下を示す。
・ 「障害者雇用ビジネス」を利用する場合は、「障害者雇用ビジネス」のガイドラインに沿っていない運営を行う事業者の利用は望ましくない旨
・ 障害者の就業を通じた成果物は、利用企業自身の事業活動において有為に活用すべき旨
・ 一定期間の利用の後は、利用企業自身の事業活動の中で障害者雇用のための業務切出し等を行い、雇用される障害者の希望を踏まえつつ、自社の就業場所へ障害者雇用を移行させていくことが望ましい旨(研究会報告書(令和8年2月)より。一部略)
これに対し、研究会の参集者からは以下の意見がありました。
・ この方向性でさらに検討を深めるべき。その際は、第3者が提供する場所で就業させる期間の望ましい在り方も検討すべき。
・ 「障害者雇用ビジネス」の定義及び範囲が明確でないので、慎重に検討すべき。
・ 当該ビジネスの利用において真に問題となるのは何かを十分見極めて検討を進める必要がある。
・ 労働者、利用企業(、必要に応じてビジネス事業者)において定期的コミュニケーションが図られるようガイドラインに位置付けるべき
これら意見を踏まえ、定義や問題にかかる本質的要素の検討、就労する者のために望まれる措置の内容の検討を含めて議論を進めていくこととされました。
次回からは、これまで述べてきた「質」とともに研究会にて論点とされました「障害者雇用率制度等の在り方について」に係る報告書の記載を順次取り上げていきます。


