今後の障害者雇用制度の在り方(報告書⑥)

厚労省発表の「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会報告書」から、今回は、「Ⅲ 障害者雇用率制度等の在り方について」のうち「2.手帳を所持していない精神・発達障害者の位置付け」の内容を紹介します。

雇用率制度(雇用義務)の対象となる精神障害者は、精神障害者保健福祉手帳の所持者に限るものとされています。
そして、手帳を所持しない精神・発達障害者の扱いについては、就労困難性の判断の在り方にかかわる調査・研究等を進めたうえで、検討することとされていました。

今般、事務局である厚労省から、以下の論点提示がなされました。

・ 精神障害者保健福祉手帳における対象範囲の網羅性や、判定内容(日常生活等における制限の状態を認める)に加え、JEED の精神・発達就労調査研究の状況を踏まえれば、手帳を所持しない者を別途の基準を用いて雇用率制度の対象とする必要性・合理性は高いとは言えず、雇用率の対象を精神障害者保健福祉手帳の所持者とする現行の仕組みを維持する。
・ その上で、引き続き職場を含めた社会全体の精神・発達障害に対する理解の促進を図っていくとともに、職場における合理的配慮の推進やハローワーク等の関係機関における支援を更に進めていく。

(研究会報告書(令和8年2月)より。下線はブログ主)

研究会の場では、手帳の取得に抵抗感があったり、取得方法がわからなかったりする者のフォローを求める声はありましたが、事務局の提示した上記方向性について特段異論がなかったようです。

さらに、これまで精神障害者保健福祉手帳を保有していたものの、有効期限の関係で更新できなかった者について、引き続き雇用率制度の対象とするかについて議論が行われます。

これについては、企業に引き続き雇用される見込みであると判断できる場合、一定期間、雇用率制度や雇用納付金制度上の障害者とする取扱いとする方向で検討を深めることになっています。