我が国の成人の学びは伸びしろあり

ヨーロッパの成人は中年になっても働きながら大学で学ぶ方が多い気がします。ずいぶん前に中欧にいたときに感じていたことです。

ふと気になって、データを調べてみたところ、その感覚を裏付けるものがありました。
Trends in Adult Learning
New Data from the 2023 Survey of Adult Skills

ある程度長期にわたる、大学などで資格を取得するための職業訓練(日本でいえば専門実践教育訓練がこれにあたるかもしれません)で学ぶ大人の割合です。OECD加盟国のうち、フィンランド、スウェーデン、米国が12%以上だったのに対し、日本はたったの1%です。
訓練の期間が比較的短く、公的に認定されていない訓練(民間の〇〇スクール的なイメージでしょうか)については、参加率がノルウェーや米国、フィンランドが50%超だったのに対し、日本は30%ほどでした(報告書にある31カ国のうち、日本は24位)。

引用した報告書によれば、このような差が生じる背景として「成人学習システム、成人学習文化、そして労働市場構造におけるアクセス性、関連性、柔軟性の違い」を挙げています。

これらのデータを見て改めて思うのは、日本にはすでに「専門実践教育訓練給付金」や「教育訓練休暇給付金」など、使える制度がいろいろと整っているのに対し、ご存じない経営者や労働者の方々が多いのではないか、ということです。
弊事務所では、従業員のスキルアップなどのご相談に応じておりますので、ご利用いただければ幸いです。