長時間働くひとの割合は変わったのか
最近、労働時間規制の見直しに関して世論が盛り上がりつつあります。
いろいろな意見が出されていますが、感情論ではなく、
実態を客観的に把握し、それに基づいて議論を行うことが大切だと思います。
長時間労働者の推移が気になり、調べてみました。
(独)労働政策研究・研修機構(JILPT)の
「データブック国際労働比較2025」にあるデータ(第6-3表)を
グラフ化したのが下の図になります。

グラフは、週49時間以上働く就業者の割合の推移を見たものです。
各国によってデータの計上方法が違うので、各国間の比較には注意が必要ですが、
単純に推移を見た場合、2020年以降、日本を含むここに挙げた多くの国は、
長時間働く人の割合が「減っていない」ことがわかります。
ややアメリカは減少傾向かもしれません。
また、ドイツは長時間労働の割合が減っていて、これは特徴的です。
これら実績の変動には、各国が設ける規制の影響や、地政学的なものも背景にあると思われ、
その原因を軽々に決めつけることは差し引きかえるべきだと思います。
今後政府の中でどのような議論が展開するのか、気になるところです。


