長時間働くひとの男女差

昨日のポストでは、長時間(週49時間以上)働く就業者の推移を各国ごとに見てきました。
本日は、長時間就業者の男女差を調べてみました。
(独)労働政策研究・研修機構(JILPT)の
「データブック国際労働比較2025」にあるデータ(第6-3表)を元に筆者が計算したものです。(男性の長時間割合-女性の長時間割合)


日本は、他の米英欧州諸国と比して男女差が大きくなっています(男女の区別は各国変わりませんので、昨日と違い、各国間の比較ができると考えました)。
同一国内の時系列推移をみると、日本は2020年代に入り、15ポイント程度を維持しています。
一方、ドイツは男女差が漸次縮まってきており、2023年では5ポイントを下回っています。
昨日のドイツの動きも踏まえると、就業者全体で長時間労働の割合が減り続けているので、男女の差もなくなってきた、ということでしょうか。

では、日本のこの動き(停滞状況)をどうとらえればよいのでしょう。
育児・介護に関する男女の役割が変化していないと考えればよいのか、
単に男性は長く働いて女性は早く帰るという風潮が変わらないのか、
長時間労働の職業に女性が入職していない(パート等に従事)と考えればよいのか・・・

いずれにしても、他国に比べて長時間労働の男女差が日本は非常に大きいことがわかりました。
ずっと日本で働いていれば長時間労働は男性がするものというイメージがありますが、他国は必ずしもそう言えないかもしれません。