労働力調査と毎勤とで結果が異なった

前エントリーの続きです。労働投入量の話題を何回か続けております。

2000年以降の労働投入量の動きが、
当ブログで調べたものと
リクルートワークス研究所のコラムとで異なった理由はなぜでしょうか。

当ブログのデータ参照元は毎月勤労統計調査(厚生労働省)であり、
研究所のコラムは労働力調査(総務省)です。

両調査の対象が異なるのが理由の一つと考えます。
【労働力調査】
対象は自営業主・家族従業者・小規模(5人未満)事業所・副業合計時間も全部含む。
ここ20年で、後継者不足や高齢化などによって自営業主・家族従業者が減少したことから、就業者数の伸びを抑え、投入量減少に反映したのではないか。

我が国には、2011年2月時点で541万人の自営業者がいる。家族従業者と合わせると711万人である。就業者が6211万人であるから、そのうち11.4%が家族従業者を含めた自営業者になる。この家族従業者を含む自営業者が、我が国では年々減少している。90年には、1395万人であったので、この20年間に半分になったわけである。
2自営業の減少とその背景 (1)自営業率の動向 (内閣府))(pdfです)

【毎月勤労統計】
対象は5人以上事業所の常用雇用者が中心。自営業・小規模事業者は除外されている。
企業における非正規・パート・女性・高齢者の雇用が増加することで、一人当たりの労働時間減少をカバーして、労働投入量を増加させる方向に働いた。

ほかによく言われることとしては、労働力調査は働く人の自計申告(自己申告)ベースの調査であるため、労働時間にサービス残業も計上される傾向にあるということ。
毎月勤労統計は所定内・所定外の労働時間についての事業主による回答です。
労働時間管理が徐々に厳格化されてサービス残業が減少しているという実態が、投下量の減少傾向として労働力調査のみに反映されているのかもしれません。

公的な統計資料から傾向をつかむしても、できるだけ複数のソースにあたってみて、その統計の目的や対象の違いを念頭に置きながら分析することの大切さを、身をもって体験しました。