「13か月ぶりに実質賃金がプラス」の意味
3月9日、厚生労働省が毎月勤労統計調査(2026(令和8)年1月分)の結果速報を公表しました。
プレスリリースの【調査結果のポイント】のうち、実質賃金に関係する箇所は次のとおりです。
2 実質賃金指数(2020(令和2)年平均=100)
〇消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)で実質化したもの
・現金給与総額 82.3(1.4%増)※13 ヵ月ぶりプラス
(参考)消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)の前年同月比 1.7%上昇
〇消費者物価指数(総合)で実質化したもの
・現金給与総額 83.9(1.6%増)※2ヵ月連続プラス
(参考)消費者物価指数(総合)の前年同月比 1.5%上昇「毎月勤労統計調査 2026(令和8)年1月分結果速報 を公表します」(厚生労働省)
下線はブログ主
あくまで速報値であり、特に1月は本調査特有のサンプル更新の影響が出やすいため、4月の確報値で改めて確認する必要があること、
また、そもそも2020年平均の実質賃金を100とした場合に、最新の指数が80ちょいに過ぎない実態にあること、
これらの点を留意しつつ、上に挙げた部分から読み取れることは、次のとおりと考えます。
すなわち、
持家の帰属家賃を除いて考えた場合、消費者物価指数(CPI)の上昇率(1.7%)が実質賃金のプラス幅(+1.4%)よりも大きくなっている。
これは、食料品やエネルギーなど実際に家計が支出する物価が依然として高止まりしていることを示している、といえそう。
また、CPI(総合)が2ヵ月連続プラスである一方、CPI(持家の帰属家賃除く総合)が13ヵ月ぶりプラスであります。つまり、仮想的なコスト(持家だが家賃を支払ったこととする)を含めた計算(総合)では、実質賃金が先月(2025年12月)からプラスになっているものの、家計が実際に支払う物価(持家の~除く総合)で計算すると、ずいぶん久しぶりにプラスに浮上したばかりである。
これは、家計の購買力が回復するまでには、見かけの統計以上に厳しい状況が続いていた、といえそう。
生活実感に近い指標で13ヵ月ぶりにプラスになったことは、賃金上昇がインフレに追いつき、追い越しそうである状況を示すのでしょう。
ただし、上記の観点を踏まえますと、確定値を待つ必要があるのと、今後の動きを見守る必要があるものと考えます。


