労働時間をむやみに伸ばしたいわけではなかった
「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が施行してから5年が経過しました。
これを受けて厚生労働省が、労働者へのアンケート調査、企業・労働者へのヒアリング調査を行い、その結果を公表しています。
「働き方改革関連法施行後5年の総点検」の調査結果を公表します
ところで、高市総理は就任日に、労働時間規制の緩和を検討するよう、関係閣僚に指示していました。
高市早苗首相は21日、現行の労働時間規制の緩和検討を上野賢一郎厚生労働相らに指示した。新閣僚への指示書に「心身の健康維持と従業者の選択を前提」としつつ「働き方改革を推進するとともに、多様な働き方を踏まえたルール整備を図ることで、安心して働くことができる環境を整備する」と明示した。
この総理による指示を念頭に置きつつ、労働時間の意識等に関する労働者へのアンケート・ヒアリング調査の結果を見てみました。
簡単にまとめると次のとおりになります。
1.現行の労働時間上限規制との関係
労働時間を「増やしたい」と希望する労働者の大半は、現行の上限規制の枠内での増加を希望していた。
2.現在の所定労働時間との関係
所定労働時間が短い労働者ほど、労働時間を「増やしたい」と希望する傾向がみられた。
3.現在の時間外労働時間との関係
現在の時間外労働等が少ない労働者ほど「増やしたい」と希望し、長い労働者ほど「減らしたい」と希望する明確な傾向があった。
4.現在の年収との関係
労働時間を増やしたいという希望は、年収が低い層に比較的多く分布していた。
つまり、現行の労働時間の上限規制を緩和してまで労働時間を延ばしてほしい、との意識は、我が国労働者のほとんどは持ち合わせていないことがわかりました。
本調査の結果等を踏まえ、上野厚生労働大臣は3月6日の記者会見で次のように話しています。
これまで総理も「過労死認定ラインでもある上限規制を超えるなどということを決して言いません」と答弁されていますが、私も同じ考えです。今回の結果をみても、上限規制それ自体の問題というよりは、その範囲内での働き方の問題ではないかと考えているところです。いずれにしても、裁量労働制も含め、労働時間規制の検討に当たっては、心身の健康維持を前提にして、働き方の実態とニーズを踏まえて、日本成長戦略会議の下に設けられた労働市場改革分科会や労働政策審議会において、運用・制度の両面から、議論を進めていきたいと考えています。
上野大臣会見概要(令和8年3月6日(金))下線はブログ主
総理就任時の指示を受けて、労働時間規制を今後どのように改正していくのか、厚労大臣の発言にあるように、審議会の場などでの議論が気になるところです。


