令和7年賃金構造基本統計調査より

厚生労働省は2026年(令和8年)3月24日、2025年賃金構造基本統計調査の概況(リンク先はPDF)を公表しました。
ここから最新の賃金動向を整理します。

まず全体像の確認から。

一般労働者の所定内給与額(月額)は、男女計で340.6千円(前年比+3.1%)となりました。
男性は373.4千円(+2.8%)、女性は285.9千円(+3.9%)で、女性の伸び率が男性を上回りました。
男女間賃金格差(男性=100)は76.6となり、格差縮小の傾向が続いています。

企業規模別に見ると、
大企業(1,000人以上)が385.1千円(+5.7%)と最も高く、伸び率も際立っています。
中企業(100〜999人)は326.2千円(+1.0%)、小企業(10〜99人)は305.6千円(+2.1%)と、
大企業と中小企業の格差がさらに広がっている状況です。

雇用形態別では、正社員・正職員が358.8千円に対し、正社員・正職員以外は241.7千円で、
格差(正社員=100)は67.4となっています。
同一労働同一賃金の取り組みが進む中でも、依然として3割近い開きがあります。
産業別では「電気・ガス・熱供給・水道業」(444.0千円)が最も高く、
「宿泊業,飲食サービス業」(277.2千円)が最も低くなっています。

私は特に、大企業の賃上げペース(+5.7%)が中小企業(+1.0〜2.1%)を大きく上回っている点に目を付けました。
人材確保が課題となっている中小企業にとって、賃金格差の拡大は採用競争をさらに厳しくさせる可能性があります。
一方で、賃金を容易に引き上げられないのが中小企業の現実でもあります。
雇用失業情勢も、以前のような強い勢いが感じられなくなりつつあり、
これらの数字からは、賃金上昇の息切れ感が聞こえてきそうです。

あまり景気のよい話ではないですが、これからも数字を冷静にとらえ、正しく判断するように努めたいと思います。