速報から大幅修正(2026(令和8)年1月分毎勤確報)

以前、「『13か月ぶりに実質賃金がプラス』の意味」というエントリーで、2026(令和8)年1月分の毎月勤労統計調査(速報)をご紹介しました。

その確報が、2026(令和8)年4月8日に厚生労働省から公表されました。
速報との比較を中心に、内容を整理しておきます。

まず実質賃金指数(2020(令和2)年平均=100)を速報と確報で見比べてみます。

〇消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)で実質化したもの
 速報:82.3(前年同月比1.4%増)→ 確報:81.8(同0.7%増)

〇消費者物価指数(総合)で実質化したもの
 速報:83.9(前年同月比1.6%増)→ 確報:83.4(同1.0%増)

なお、CPIの前年同月比(持家の帰属家賃を除く総合1.7%上昇、総合1.5%上昇)は速報から変わっていません。

「13か月ぶりにプラス」という事実は確報でも維持されています。ただ、伸び率はいずれも大幅に下方修正されました。持家の帰属家賃を除く指数では1.4%増が0.7%増へと半減し、CPI上昇率1.7%に対して依然0.7ポイント下回っています。プラスにはなったが、物価の上昇には追いついていないという構図は、確報でより鮮明になったといえるでしょう。

名目賃金(確報)は、現金給与総額で299,768円(前年同月比2.5%増)、所定内給与269,141円(同3.0%増)でした。パートタイム労働者の時間当たり所定内給与は1,446円(同3.7%増)と着実に上昇しており、最低賃金引き上げの効果が一定程度反映されているものと思われます

毎月勤労統計調査では速報から確報への修正は珍しくありません。
ただ今回は、速報が「13か月ぶりのプラス転換」として注目を集めた直後に、確報で伸び率が半減するという展開でした。
例年1月は調査対象となる事業所の入れ替え時期にあたり、統計上の補正(ベンチマーク更新)の影響を受けやすい月です。今年の1月確報で数値が大きく修正されたのも、こうした標本の切り替えも背景にあると考えられます。