外国人の日本語教育は誰が負担?
「外国人雇用対策の在り方に関する検討会」(第12回)の議事録が公表されました(2026(令和8)年2月20日開催)。
議事は多岐にわたりましたが、複数の構成員の間で特に活発な意見交換があったのが、
日本語教育の費用負担と供給体制の問題です。
公益側の構成員からは、地域の日本語教室がボランティア主体で運営されている現状に触れ、
就労目的の外国人が参加すると「事業主負担を自治体に丸投げしている」とのクレームが発生していると指摘がありました。
就労類型の日本語教育は事業主負担を軸に供給体制を整えるべきとの意見です。
別の公益側構成員も、中小企業の費用負担の問題を提起しています。
これに対し使用者側の構成員が、役割分担の整理を提案しました。
就労関連の日本語・技能は企業が、生活関連の基本ルールは国が、地域固有のルールは自治体が担うべきとの考えです。
別の使用者側の構成員からは、
認定日本語教育機関のうち「就労課程」はわずか3機関にとどまる現状が指摘され、
地方での供給体制に懸念が示されました。
就労過程が全国でわずか3機関という実態は、地方の中小企業にとってそもそも学ばせる場所がないという死活問題であることを示唆しています。
もう一つ議論が交わされたのが、外国人雇用管理指針の法的位置づけです。
労働者側の構成員は、現行の指針には法的拘束力がないとして、
若年者雇用促進法と同様に外国人労働者に特化した法律の制定を提案しました。
一方、使用者側の構成員は、ルールを遵守している企業に一律の規制強化で負担をかけるべきではなく、
悪質な事業主・仲介業者への対応を厳格化すべきとの立場です。
公益側構成員は、日本の外国人雇用政策のパフォーマンスは国際的に見ても良好であり、
不法就労率やオーバーステイ率は国際水準より低いとの認識を示しました。
育成就労制度の施行(2027(令和9)年4月)を控え、
労働市場政策として外国人の扱いを規定する法律の制定に関することや、
日本語教育の供給体制と費用負担のあり方については、
今後さらに具体的な議論が行われることになろうと考えます。


