第12次職業能力開発基本計画が策定されました

令和8年度(2026年度)から令和12年度(2030年度)までの5年間を対象とした第12次職業能力開発基本計画が、このたび策定されました。

職業能力開発基本計画とは、職業能力開発促進法第5条に基づき、厚生労働大臣が策定する計画です。
同法では、国が職業能力の開発に関する基本となる計画を策定するものと定められており、その内容は告示として公示されます。計画期間はおおむね5年。タイトルのとおり今回が第12次にあたります。

本計画策定の背景に、二つの構造的な変化があることが垣間見えます。
一つは、AIをはじめとするデジタル技術の急速な進展です。定型的な業務の自動化が進む一方、非定型の分析・対人業務への需要が高まっており、求められるスキルが絶えず変化しています。
もう一つは、少子高齢化による労働供給制約です。2040年にかけて就業者数は全体として減少が見込まれており、一人ひとりの生産性向上が急務となっています。

本計画は「個別化」「共同・共有化」「見える化」の3つの視点を軸に、6本の柱で施策を推進することとされています。

【第一の柱】戦略的な職業能力開発支援

エネルギーなどの戦略分野やDX分野において、産業界と協働した人材育成プロジェクトを推進

【第二の柱】スキル等の見える化

 職業情報提供サイト(job tag)の機能強化や技能検定の整備により、スキルと処遇の結びつきを強化

【第三の柱】個人のキャリア形成支援

キャリアコンサルティングの機会拡充や、夜間・オンラインで受講できる教育訓練給付金指定講座の拡大など

【第四の柱】企業の職業能力開発支援

中小企業への伴走型支援のほか、産業・地域単位での複数企業による共同人材育成の仕組みの整備を検討

【第五の柱】多様な労働者への支援

非正規雇用労働者、中高年、女性、障害者、外国人、現場人材など、各層の実態に応じた能力開発の推進

【第六の柱】技能の振興

技能五輪国際大会を契機とした技能尊重の機運醸成を図ること

日本企業の人的投資(OJTを除くOFF-JT費用)は、他の先進国と比べ依然として低い水準にあることが指摘されています。
労使が協働して事業内職業能力開発計画を作成するなど、能力開発を企業文化として根付かせることが、本計画の重要な狙いであると思われます。