外食業分野の特定技能1号、新規受付が停止されました

2026(令和8)年3月27日、出入国在留管理庁と農林水産省から、
特定技能1号「外食業分野」について新規の受入れを停止する方針が示されました。
4月13日以降に提出された在留資格認定証明書交付申請や在留資格変更許可申請は、
原則として不交付・不許可の扱いとなっています。

併せて、試験実施機関による外食業の技能測定試験も、国内外ともに停止されます。
停止に至った直接の理由は、在留者数が制度上の受入れ上限に近づいたためです。
公表資料によれば、2026(令和8)年2月末時点の在留者数は約4万6千人で、
上限(5万人)のほぼ9割に達していました。

特定技能制度が始まった2019(平成31)年以降、
外食業分野は当初なかなか人数が伸びなかった時期もありましたが、
コロナ禍後の人手不足を背景に、近年は急速に積み上がってきた分野です。

背景には、次のような事情があるとされます。

  • コロナ禍後のインバウンド需要の回復により、都市部を中心に飲食店の人手不足が一段と深刻化したこと
  • 国内で学ぶ留学生が卒業後に特定技能へ在留資格を変更する動きが活発化したこと
  • 技能実習に馴染まない職種であるため、外食業では特定技能が実質的に唯一の正面ルートであったこと
  • 外食業は他産業と比べて賃金水準が高くなく、国内人材の確保が構造的に難しいこと

今回の措置の影響は、単なる採用停止にとどまっていません。
特定技能外国人を前提に店舗運営を組み立てていた事業者にとっては、
営業時間・シフト編成・出店計画そのものの見直しを迫られる可能性があります。
留学生アルバイトから特定技能への切替えを既定路線としていた企業にとっても、
設計の組み直しが必要になる場面が出てくるでしょう。

外食業のビジネスモデルは、低価格・長時間営業を外国人材が下支えしてきた面が否めません。
今回の受入れ停止は、その前提そのものを問い直す契機になり得ます。
次回のエントリーでは、同様に上限接近が懸念されている他の産業分野について、整理してみたいと思います。

(出典)
出入国在留管理庁・農林水産省「特定技能『外食業分野』における受入れ上限の運用について」(2026(令和8)年3月27日公表)
政府「特定技能の受入れ見込数の再設定及び対象分野等の追加」(2024(令和6)年3月閣議決定)