人材不足への企業の対応(労働経済動向調査より)
厚生労働省が、労働経済動向調査(令和8(2026)年5月)の結果(pdf)を公表しました。
この調査は、景気の変動や労働力需給の変化が雇用・労働時間に及ぼす影響、今後の見通しや対応策などを、四半期ごと(2月・5月・8月・11月)にすばやく把握しようとするものです。
今回は、30人以上の常用労働者を雇う全国の民営事業所のうち、3,174事業所が回答しています(有効回答率54.9%)。
結果からは、労働者の不足の状況が数字として表れました。
事業所が「不足」と答えた割合から「過剰」と答えた割合を差し引いた指標(労働者過不足判断D.I.)でみると、
2026(令和8)年5月1日現在、正社員等は+47ポイント、パートタイムは+27ポイントと、いずれも不足が大きく上回りました。
正社員等では建設業、医療・福祉、運輸業・郵便業などで、
パートタイムでは宿泊業・飲食サービス業や生活関連サービス業・娯楽業などで、
人手不足感がとりわけ強くなっています。
では、企業は実際にどう動いているのでしょうか。
労働者が不足している部門に何らかの対応をした事業所は、63%にのぼりました。
対応の内容(複数回答)をみると、「中途採用の開始・拡大・強化」が69%で最も多く、次いで「新規学卒者の採用」「臨時・パートタイム労働者の採用」「業務の効率化の推進」がいずれも39%と続きます。
一方、労働者が過剰となっている部門に対応した事業所は、わずか6%にとどまりました。
その数少ない対応の中身は、「配置転換による労働者の送出し」が35%で最も多くなっています。
そして採用の強化と並んで「業務の効率化の推進」が4割を占めている点も特徴と言えると思います。
人を増やすだけでなく、限られた人数で仕事を回す工夫が、いよいよ実務の課題になってきたということでしょう。
すでに省力化や働き方の見直しを進めておられる事業主様にとっては、自社の取り組みを点検する一つの手がかりになるものと考えます。


