精神障害の労災請求はこの5年で倍増(過労死等の労災補償状況より)
厚生労働省が、2026(令和8)年7月15日、令和7年度の「過労死等の労災補償状況」を公表しました。
以前のエントリーで、この統計から業務災害に係る脳・心臓疾患の状況を取り上げました。
今回は、もう一つの柱である精神障害についてみていきます。
請求件数の伸びが脳・心臓疾患よりもさらに急になっていました。
5年で倍増した請求件数
精神障害の労災請求件数の推移は、次のとおりです。
- 令和3年度 2,346件
- 令和4年度 2,683件
- 令和5年度 3,575件
- 令和6年度 3,780件
- 令和7年度 4,958件
令和7年度は4,958件で、前年度より1,178件も増えました。
この5年で2倍を超え、右肩上がりの勢いが続いています。
支給決定件数も1,082件と過去最多で、2年続けて1,000件を上回りました。
自殺(未遂を含む)に関する請求も、215件にのぼっています。
一方で低下する認定率とその特徴
一方、決定件数に占める支給決定の割合(認定率)は28.2%でした。
5年前の32.2%から下がっており、この構図は脳・心臓疾患と共通しています。
今回の数字で目を引いた特徴を、いくつか挙げてみます。
- 支給決定の原因(具体的な出来事)で最も多いのは、パワーハラスメントの222件
- 業種別では、医療・福祉が請求・支給決定のいずれも最も多い
- 請求の中心は20〜40代で、女性が半数を超えた(50〜60代・男性が中心だった脳・心臓疾患とは対照的)
働く人の心の不調が、幅広い職場や世代に及んでいることをうかがわせます。
数字の背後にある一人ひとりの働き方と心の健康に目を向けたいところです。


