実質賃金7か月連続プラス(令和8年7月分毎勤速報)
以前のエントリーで毎月勤労統計調査の2026(令和8)年3月分速報を取り上げ、
実質賃金がプラスを維持できるかは夏季賞与の動向と、物価が再加速するかどうかにかかっていそうだと書きました。
その両方に答えの出る毎月勤労統計調査 2026(令和8)年7月分結果速報が2026(令和8)年9月8日に公表されましたので、
フォローアップしたいと思います。
主な数値は次のとおりです(事業所規模5人以上、カッコ内は前年同月比)。
- 現金給与総額 436,401円(4.7%増)
- きまって支給する給与 301,582円(4.1%増)
- 所定内給与 280,797円(4.1%増)(33年9か月ぶりの7か月連続3%以上)
- 特別に支払われた給与 134,819円(6.3%増)
- パートタイム労働者の時間当たり給与 1,460円(5.7%増)(61か月連続プラス)
- 実質賃金指数(持家の帰属家賃を除く総合) 117.6(2.4%増)(7か月連続プラス)
7月は夏季賞与の支給月ですので、特別に支払われた給与が134,819円と現金給与総額の3割を占めています。
3月分速報では同じ項目が1.5%減と足を引っ張っていましたから、そこは大きく変わっています。
では、賞与だけで4.7%増になったといえるのか、調べてみました。
前年同月比から前年の水準を割り戻してみますと、現金給与総額の増加額は約19,600円。
その内訳は、きまって支給する給与が約11,900円、特別に支払われた給与が約8,000円です。
賞与の押し上げ効果も見られるものの、増加額の6割は毎月きまって支払われる部分から出ていました。
賞与が厚かった月というより、月々の賃金水準そのものが上がっていると解釈できます。
一方、消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)の前年同月比は2.2%上昇でした。
3月分の時点では1.6%上昇でしたので、懸念したとおり再加速しています。
それでも実質賃金指数が2.4%増となったのは、名目の伸び4.7%が物価の伸びを2ポイント以上上回ったからです。
パートの時間当たり給与が5.7%増と、一般労働者の所定内給与3.9%増を大きく上回っている点も注目点ではないでしょうか。
最低賃金引き上げの効果が引き続き表れているものと思われます。
なお、7月分速報にも、2026(令和8)年1月に行われた調査対象事業所の部分入替えにより現金給与総額で-1,582円(-0.5%)の断層が生じている旨の注記が引き続き付されています。
毎勤では速報から確報への修正も珍しくなく、例えば1月分は速報の1.4%増が確報で0.7%増へと半減していました。。。
今回の数字も、確報が出るまでは一定の含みを持って見ておくべきでしょう。


